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貴金属のリサイクル技術で世界をリードする ~田中貴金属工業株式会社~ (3/3)
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2016年9月23日
円高になると俄然注目されるのが、安定した資産としての金への投資。金は古来より資産価値のある貴金属として重宝されてきました。この金を初めとする貴金属がコンピューターなどの先端産業でも注目されるようになったのは、「産業の米」と呼ばれる半導体に「金」のボンディングワイヤー(極細線)が使われるようになったことも大きな要因です。このボンディングワイヤーで世界トップシェアを誇る田中貴金属工業株式会社湘南工場を訪ねました。
使いやすさと低い定量下限が
分析の信頼感をさらに高める
Agilent 725 ICP-OESは、主にスクリーニング分析に使用されています。
湘南工場では、Agilent 725 ICP-OESとAgilent 5100 ICP-OESを1台ずつ導入していますが、その用途は次のように使い分けています。
Agilent 725 ICP-OES
・スクリーニング分析全般
・高純度Ag中微量不純物分析
・固体試料中貴金属含有率分析
・試作品分析全般
Agilent 5100 ICP-OES
・高純度Au中微量不純物分析
・化学分析補正分析全般
このように、機器を使い分けている理由を中庭さんは次のように説明してくださいました。
「どちらも十分な性能を持っていますが、データの解析機能においてはAgilent 725の方が便利であり、低い定量下限値への対応においてはAgilent 5100の方が適正がありますので、その特徴を活かせるように使い分けを行っています。」
主に金中の微量不純物分析を行うAgilent 5100 ICP-OES。
中庭さんと土谷さんは、Agilent 725 ICP-OESとAgilent 5100 ICP-OESの良さについて、何よりも「使いやすさ」をあげます。
「新人に教える際にも教えやすく、教わる方も取っつきやすくわかりやすいですね。特にアプリケーションの応答が早く、自由度が高い点も気に入っています」(土谷さん)
「再計算の速度等のデータ処理速度が非常に速いこと。さらに、マルチ型のICP-OESとしては分解能にも優れていると思います。また、5100においては測光方式が選択できることが非常に便利です」(中庭さん)
お二人とも処理スピードの速さ、使いやすさ、信頼性の高さなどを評価されています。
貴金属が産業用に使用される分野は近年、さらなる広がりを見せています。先にあげた半導体に使われる金はもちろん、自動車の排気ガスの浄化触媒にはプラチナやパラジウム、ロジウム、燃料電池にはプラチナ、太陽光発電には銀が使われています。燃料電池や太陽光発電は今後、日本はもちろん多くの国で使用量が爆発的に増えていくでしょう。将来的には、こうした機器が廃棄されることを考えるとき、これらの中の貴金属を回収しリサイクルすることは資源の有効活用としてさらに重要性を増します。田中貴金属の持つ貴金属のリサイクル技術、そしてそれを支える分析技術はさらに価値のあるものになっていくことでしょう。
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