PTEN (濃縮抗体)
PTEN (phosphatase and tensin homolog deleted on chromosome ten) はさまざまな癌において突然変異することが知られている癌抑制遺伝子です。染色体 10q23.3 に位置し、リン脂質フォスファターゼとして作用する 403 のアミノ酸残基からなるタンパクをコードします。PTEN は、フォスファチジルイノシトール (Pl-3) キナーゼ下流のシグナル伝達を抑制していますが、PTEN 遺伝子の変異により PTEN 機能が低下すると、Pl3K の下流シグナル伝達系が活性化され、細胞増殖、アポトーシス、細胞浸潤などが影響を受けます。
PTEN 遺伝子の変異は子宮体癌においては他の癌に比べ頻度が高く、子宮内膜癌の前癌病変にあたる子宮内膜増殖症においては 20~30% に変異が認められます。また抗 PTEN 抗体を用いた免疫組織化学的分析と、遺伝子異常とが相関するとの報告もあります。さらに HER2 タンパク過剰発現乳癌患者に対する抗体治療薬 trastuzumab の作用には PTEN が関与しており、PTEN 発現の低下が trastuzumab の効果不良の予測となるとの報告があります。
PTEN 遺伝子の変異は子宮体癌においては他の癌に比べ頻度が高く、子宮内膜癌の前癌病変にあたる子宮内膜増殖症においては 20~30% に変異が認められます。また抗 PTEN 抗体を用いた免疫組織化学的分析と、遺伝子異常とが相関するとの報告もあります。さらに HER2 タンパク過剰発現乳癌患者に対する抗体治療薬 trastuzumab の作用には PTEN が関与しており、PTEN 発現の低下が trastuzumab の効果不良の予測となるとの報告があります。