CD44、食細胞グリコプロテイン-1 (濃縮抗体)

CD44 分子は、分子量約 80～95kD（標準型）の膜通過型糖タンパク質で、広範囲にわたる O 結合型糖鎖をもつ膜貫通型の分子であり、その細胞外ドメインには 6 つの N 結合型糖鎖修飾部位を有します。
この CD44 分子には、サブタイプや変異体などが報告されており、リンパ球／顆粒球などの造血系細胞以外にも組織マクロファージ、線維芽細胞、星細胞などに発現します。また高内皮細静脈 (High Endothelial Venule;HEV)、タイプ IV コラーゲン、ファイブロネクチン、ヒアルロン酸 (Hyaluronic Acid;HA) への接着がその基本的機能である標準型 (CD44H)、腫瘍細胞に発現を認め、腫瘍細胞の悪性度や転移性との関連性が注目されている変異型 (CD44v)、上皮細胞に最初に発現が認められ、その他マクロファージ、白血病細胞、血管内皮細胞、特に炎症部やリンパ節の内皮細胞に発現する上皮型 (CD44E)、血清／血漿および関節滑液中に認められる可溶性 (sCD44) があり、CD44 ファミリーを構成しています。特に sCD44 は活動期慢性関節リウマチ患者の滑液中や悪性腫瘍患者の血清中で極めて高値を呈することがあり、炎症の強度、疾患活動性、腫瘍の悪性度／転移性に相関を示します。
この抗体は、約 90％ のリンパ球（T 細胞, B 細胞）に反応し、単球、顆粒球、赤血球および上皮細胞にも反応します。また、このエピトープは、血小板にも多少発現しています。この抗体は、接着分子の研究に有用です。